2014年1月4日土曜日

着物の身丈出し

祖母から大島紬をいただきました。
祖母がいまから30年ほど前に買ったもので、ずっと箪笥にねむっていたものです。
しかし、祖母の身長は私の身長より12cm近く低いため、私がそのまま祖母の着物を着ると、おはしょりが小指の先くらいの幅しか出ませんでした…。着物の色がとても気に入っていましたし、大島紬は織りの着物のため、高価でありながら正装にならない最高の遊び着。自分で新しく買うにしても優先順位は低いです。そもそも大島紬なぞ買えるお金はありません…。
ということで、身丈出しを頼むことにしました。

そして、できあがったのがこちらです。


遠くから見ると、何も変わらないようにみえますが、近くで見ると、お腹のあたり(写真の親指から人差し指まで)に布を継ぎ足して、丈を伸ばしているのがわかります。


呉服屋さんの話では、継ぎ足した布は、もともと襟部分の中に芯として?入れてあった布だそうです。一度襟を解いて中の布を取り出し、別の布を代わりに入れて、また閉じています。そんなことができるんですね…。

継ぎ足した布の継ぎ目は、おはしょりを作ったときにちょうど隠れて外からは見えません。職人さんはすごい!

ちなみに、呉服屋さんの話では、の大島紬は仕立て直せば三代着られるのだそうです。緻密な織物のため、布に表裏がほとんどないので、一代目が着たものを、二代目は裏返して仕立て直し、三代目はまた裏返して仕立て直すのだそうです。

お正月はこの着物をきて、祖母に会いにいきました。よろこんでもらえてよかったです。大切に着ていきたいです。

それにしても、まるで紙のようにパリッと緻密に織られているのに、織りというだけで正装にならないなんて、もったいないなあ…。