2019年9月9日月曜日

結婚式の後過ぎる「後撮り」

「自分のためだけに、自分のやりたいことをしてみたくなった。」…結婚式の5年後にあたる2019年、結婚式の「後撮り」をしました。なぜ今さら後撮りをするに至ったか、自分の考えを整理記録しておきたいので、ブログにまとめました。



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私が5年前に結婚式を挙げた時、私は前撮りをせず、写真は結婚式と披露宴の時に撮ったものだけでした。なのでアルバムは、当日のハイライト的な構成になっています。そのアルバムの内容は、「メインはゲストをもてなすことにある」という、私たち夫婦の結婚式・披露宴に対する考えを、プロのカメラマンが十分にくみ取ってくださったもので、私たちは満足していました。結婚式・披露宴自体も非常に満足のいくものでした。

経済的には前撮りもできたはずなのに、なぜこの時にしなかったのか。それは、なんとなく前撮りに抵抗があったからでした。

  • 結婚式はおもてなしだから、主役はゲスト。前撮りなんて不要
と、なんとなく思っていたのです。加えて、みるみる膨らんでいく結婚式と披露宴の費用に私が怖気づいてしまい、これ以上の出費は危険と、心の中でブレーキをかけたからでした。

結婚式と披露宴を終えて、やっぱり前撮りをすればよかったなあと思ったものの、
  • よい結婚式・披露宴だったのだからそれで十分だ
  • 結婚式も披露宴も、そもそも1発勝負なのだから何らかの後悔は残るものだ
と自分に言い聞かせていました。

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さて、それから4年が経った2018年7月、私は2人目の子どもを出産間近でした。仕事の関係で、かつて結婚式を挙げた会場の近くを通った時、やっぱり前撮りしたかったなと未だに思っている自分に気が付きました。

  • あの時、ドレスを1着に決めるにあたって、最後まで迷って選ばなかったドレスをやっぱり着て形に残したかった
  • 結婚式では使わなかったチャペルでも写真を残したかった

なんて思ったわけです。もう4年も経っているのに。出産でそれどころではないはずなのに。

いちど考え始めてしまうと、もう気になって仕方がない。そこで、今さらドレスを着て写真だけ撮影は可能なのか問い合わせました。物理的にできないのなら、その時初めて諦めればよいと。数日後に会場からお電話をいただき、バッチリ可能で「後撮りプラン」なるものもあるとの返事をいただきました。夫や義母にも相談。何を今さらと言われるのではと思ったら、意外にも賛成してくれました。夫は、私の貯金でやることなので異議なしという見解。そして義母は

  • やらなくて後悔したことをやり直せる環境があるなら、お金がかかろうと何だろうとやり直すに越したことはない
という考えで、私は勇気をもらいました。

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会場のプランナーさんと相談し、出産からおよそ1年後に撮影をすると決めました。その日から、以下4点を柱とした、私の「後撮り準備1か年プロジェクト」がスタートしました。

  1. まずは無事に出産をすること
  2. 子どもを育てながら、1年かけて健康的に体形を戻していくこと
  3. 4年前の後悔を、後撮りできちんとリベンジすべく、自分の希望を明確にすること
  4. 費用を無理なく捻出すること
1.は言わずもがな。

2.は、目標は出産前の体重に戻す。理想は結婚式の時と同じくらいの体重まで戻す。同時並行で、産後の骨格のゆがみや、筋力の衰えを徐々に改善していく。

3.は、子育ての合間に、5W1H形式で自問自答(なぜ撮影したい?どこで撮影したい?どのような写真?)しながら、思いついた考えを地道にメモして、自分の希望をクリアにしていきました。子育てをしていると、落ち着いてゆっくり考える時間がないので、この方法がうまくいきました。

4.は、撮影料プランのMAX料金と、そのほかに必要な経費を全部明らかにし、その費用をどこから出すのかを明確にしました。こうすることで、私の悪い癖である、細かなところをケチって後で後悔する、ということの無いようにしました。

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出産から半年後の2019年3月、プランナーさんに再度連絡を入れ、正式に後撮りプランを申し込みました。

平成が終わる2019年4月、1回目のドレス試着。この時私は、結婚式と披露宴で実際に着たドレスの写真、最後まで迷って選ばなかったドレスの試着写真、今回のドレスの選択で外せないポイントをまとめて持参しました。5年も経っているので、迷って選ばなかったドレスと同じものはもう残っていませんでしたが、似たようなテイストのドレスを選ぶことができました。後撮りプランはどのドレスを選んでもレンタル料金が一律だったので、経済面で妥協することなくドレスを選べるのが幸いでした。ちなみに後で分かったことですが、選んだドレスはMonique Lhuillier(モニーク・ルイリエ)のドレスで、偶然にも私が5年前に迷って選ばなかったドレスと同じデザイナーのものでした。私はこのデザイナーのドレスが好みなようです。

なお、このあたりが、ドレスを選ぶうえでの5年前の教訓です。今回はちゃんと生かすことができました。
  • ドレスの試着は、時間的・体力的・精神的に、1回に5着が限度
  • 見た目で気に入ったドレスが似合うドレスとは限らない
  • 店員さんがプロの目で選ぶドレスが意外としっくりくる
  • しかし、店員さんに完全おまかせだと、自分で選んだ感がなくて後悔する
  • 二の腕は隠せば隠すほど太く立派に見えてしまうので、むしろ積極的に出したデザインを選ぶ
  • フロントスタイルも、バックスタイルも両方気に入るデザインを根気よく選ぶ(写真は全方位から撮られるので)
  • でも、妥協しなければいけないときはバックスタイルのほうを妥協する(一番多い写真は正面からなので)
試着を終えて、まだまだ体形に締まりがないことにまざまざと気づかされました。二の腕もスッキリしない。ということで夫と相談し、平日は子どもを寝かしつけた後で、NHK Eテレの「みんなで筋肉体操」を2人ですることにしました。

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2019年6月、2回目のドレス試着。ここで、前回の1着の他に、もう1着気に入ったデザインのドレスが出てきてしまいました。5年前にも同様のことがあり、ドレスのレンタル料金等々を考慮して、私は1着を諦めた経緯があります。今回は同じ轍は踏みたくない。ゆえに、2着とも諦めませんでした。2着選べばプラン料金は12万円近く跳ね上がりますが、ここでお金をケチって後で後悔しても、年齢的に2度と写真を取り直すチャンスはない。ということで、思い切りました。

ドレスが無事に決定し、ブーケを作ってくださる花屋さんと、ブーケのデザインについてもメールで相談しました。
こちらから伝えたことは以下4点で、あとはお店にお任せにしました。
  • 決定したドレスに合うデザインであること(決定したドレスの試着写真を送付)
  • 好きなブーケの傾向(多数の花が入っているハーブっぽいデザインよりも、主張の強い少数の花でまとめたものがよい)
  • ブーケに取り入れてほしい色(ブルーを主役に)
  • 自分の好みのブーケデザイン(その花屋さんのホームページにあった作品集から数点選んで送付)
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2019年8月、夫のタキシード試着と、私のアクセサリー選び。夫は久々にタキシードに袖を通し、5年前よりサイズアップをしていることを知り、その日から撮影当日までビール断ちを実行。みんなで筋肉体操にも拍車がかかりました(笑)。

アクセサリー選びも、レンタル料が2万5千円以上は一律料金というプランがあったので、そのプランの対象で、撮影当日に借りられるアクセサリーをピックアップしてもらい、その中から選びました。思い切ってティアラを選んでしまいました。ドレスとマッチして、私が好きなアクセサリーならそれでよし。これは私が私のためにすることなのだから、年相応かとか、そういうのは関係なし!

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さて、ここまで時点で私たちは、子どもたちを撮影に連れていかないことを決めました。
理由は以下のとおり。
  • そもそも家族写真ではなく、私のドレスの写真を残すことが主な目的だから
  • 子どもが現場にいると、撮影に集中できない→いい写真が残せない
  • 予想外のトラブルで撮影中断になりかねない
  • レンタル衣装を破損汚損して補償するリスクが恐ろしく高まる
撮影当日、子どもたちは市のファミリーサポート制度を利用し、ある一般のご家庭に有償で預かってもらうことにしました。事前打ち合わせも済ませ、こちらも万全の体制。

そして万が一、子どもたちが病気などのトラブルで預かってもらえなくなった場合に、どうするかも決めておきました。撮影日の変更はできないプランなので、やむを得ない場合はキャンセルするわけですが、このチャンスを逃せば2度と写真を取り直すチャンスはない。ということで、夫は子どもたちと自宅待機し、私一人だけで撮影に臨む!!ことにしました。そうなりませんようにと願いながら。

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9月。撮影前日。メイクや髪形をどうするのか、すっかり忘れていました。慌てて
スマホで花嫁ヘア&メイクをいろいろ調べて、好みの写真のスクショを撮り集めました。とった結果を見て、私は王道のヘア&メイクと、ちょっと外したものがしたいのだなと、なんとなくの傾向をつかみました。

明日の持ち物もしっかり整え、家族全員、早めに床に就きました。

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9月。いよいよ撮影当日。台風が懸念されましたが、夜中のうちに過ぎてくれました。子どもたちもいつも通り健康。予定通り撮影に臨むことができました。メイクやヘアスタイルも、私のつたない希望をうまく形にしてもらいました。撮影途中のアクセサリー変更など、細かい希望にも対応してもらい、9:30~14:00の撮影時間はあっという間に過ぎ去りました。

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撮影してみて、改めて気づいたことがいくつかあります。

<メイクをしてみて>
  • 子育てでつい、自分の身の回りのケアをおろそかにしがちだけれど、メイクやお手入れで最低限の「身ぎれいさ(美しさとはまた違う)」をキープしたほうがよいと思った
  • 身ぎれいにしていくことで、身ぎれいな歳の取り方をしていくだろうし、そうすることがきっと子ども達のためでもある(私が子どもの立場なら、自分のことは全く手をかけないお母さんと一緒にいるよりは、身ぎれいなお母さんのほうがよい)
  • メイクの力では、若いままではいられないが、年相応に身ぎれいにはできる

<ドレスを着てみて>
  • 筋肉は裏切らない(腕立て伏せのおかげで、二の腕は結婚式の時よりも引き締まっていた。太いは太いものの…。)
  • 体形改善には、今回のような一生残る写真撮影など、大きな目標が効果覿面

<撮影してみて>
  • 自分が納得できる笑顔は、あらかじめ自分でどう顔の筋肉を動かすかを確認しておかないと、できない(笑)
  • 姿勢や所作ひとつで、自分の見え方ががらりと変わる。きれいな姿勢を褒められたので、これはずっとこれからもキープしていきたい

<全体的に>
  • 私は自分をしっかり肯定していないから、これまでウエディングドレスのような、きれいなもの・かわいらしいものを身に着けることを、私は自分で制限していたのかもしれない。自分はかわいくないから、きれいじゃないからこういうものは着てはいけないと、どこかで思っていた。5年前の「結婚式はおもてなしだから主役はゲスト、前撮りなんて不要」、「30代も半ばでウエディングドレスを着るなら落ち着いたものを」、「お金のためには好きなものばかり選んでいられない」、というのは、自分で自分を制限するために勝手に作った、表向きの理由だったのではないか。
  • 今回、自分の希望をしっかり形にしても、だれも否定なんかしなかった。私はやっぱり、きれいなもの・かわいいものが大好きだだと気づいた。自分に嘘をついたり妥協しないで希望を伝えて、それに周りから賛成してもらうという今回の経験で、自分がかなり肯定できたし、これから夫や子どもたちにも素直に感謝して向き合えそうな気がする。