2017年2月18日土曜日

第2の故郷デンマークへ里帰り子連れ渡航 その2:飛行機編

子連れ渡航の最大の懸念事項は、飛行機の中でいかに子をぐずらせないで過ごすか、ということでした。私もこれまで、一人で渡航するときにギャン泣きしている赤ちゃんを何人か見かけています。アメリカでは飛行機に乗る子ども用の睡眠薬があるとか・・・本当なのでしょうか?
ネットで探しても、ギャン泣き防止に効果てきめんと言えるようなテクニックはありませんでした。めぼしいテクニックとして、

  • 離陸、着陸時の気圧変化の耳抜きに、授乳をして、赤ちゃんに唾をごくっと飲み込む動作をさせる
  • 搭乗前にめいっぱい遊ばせて疲れさせ、機内で眠るようにする

というのがありましたが。


いろいろ調べたものの、結局、「親が動揺すれば子も動揺してぐずる」ということで、夫と私は対処法をあらかじめ決めておきました。対処法を決めておき親の役割分担をしておけば、夫婦がモメることもなくなるので、子が無駄に動揺しないで過ごせるだろう、という考えでした。
  1.  搭乗まではいつも通りのスケジュールで授乳等をする。無理に起こしたり遊ばせたりしない。
  2.  搭乗時に隣の座席の人には挨拶をしておく(「うるさくなるかもしれませんが・・・。」)。
  3.  離着陸時は授乳ケープで覆って授乳する。
  4.  シートベルトサインが消えてバシネットが取り付けられたら、バシネットに寝かせる。
  5.  ぐずったら、夫が座席で抱っこして遊ばせる。落ち着いたらバシネットに戻す。
  6.  5でぐずり続けたら、私が座席で抱っこして遊ばせる。落ち着いたらバシネットに戻す。
  7.  6でぐずり続けたら、私が授乳する。落ち着いたらバシネットに戻す。
  8.  7でもなおぐずり続けたら、どちらかが抱っこしておもちゃで遊ばせるor通路を散歩する。落ち着いたらバシネットに戻す。
  9.  8でもまだぐずり続けたら、夫がトイレでおむつを替える。(おむつ替えは頻繁にできないので、最終手段)
  10.  9でもさらにぐずり続けたら、5~9を繰り返す。
  11.  片方が世話をしているときは、もう片方はできるだけ休む(共倒れ防止)。
  12.  おむつ替えは夫、授乳は私の専業にする(押し付け合い防止)。
  13.  子の機嫌がいいときは、できるだけ周りに愛想をふりまく(ちょっとでも印象をよくする)。
  14.  食事時は、私もアルコールメニューを頼んで夫に提供する(夫の報酬)。

以下、実際の様子です。
  • 最初の長距離路線(名古屋-ヘルシンキ)では、子は懸念していたほど泣くことはありませんでした。中~短距離路線は、疲れもあいまって離着陸時は大泣きでしたが、飛行中はぐっすり眠ってしまっていました。
  • どの路線でも、子は離着陸時の耳の違和感よりもシートベルトで固定されるのが嫌でぐずっているようでした。授乳してしまえば安心して静かにしていました。
  • 離陸直後は、子はエンジンの「ゴーッ」という音が不快でぐずっているようでした。そのうち耳が慣れてきたのか、どうでもよくなっていました。周りの人のことはあまり気にならないようで、人が怖くて泣くことはありませんでした。
  • 長距離路線では、離陸後シートベルトサインが消えれば気圧もおおよそ一定になるので、子は部屋で過ごしているのと同じような感覚のようでした。ただ、いつもと違う環境かつ時差が生じるので、行きはほとんど眠りませんでした。バシネットで眠ったのは、9時間のフライト中、行きはトータル2~3時間程でした。帰りはもう少し長く眠りました。起きている間はバシネットの中で遊んでいるか、夫か私の膝の上にいました。行きの飛行機ではバシネットの中に入ることにも抵抗があったようで、寝ているとき以外はほとんど膝の上でした。狭くて深いのが嫌だったのでしょうか。
帰りの飛行機のバシネットの中で遊ぶわが子。

  • 意外だったのは、おむつ替えでトイレに入った時に子が大泣きしたことでした。トイレの扉を閉めてしまうので、大泣きでも周りの人に大きな被害はありませんでしたが。夫曰く、狭い空間に閉じ込められるのが嫌なのではないかとのことでした。おむつ替えでトイレに行ったときは、必ず泣いていました。
  • 授乳の回数は、通常の授乳よりもかなり増えました。機内ではぐずったら授乳状態だったので、授乳の間隔もめちゃくちゃになっていました。時差もあるので何時に授乳したかも把握していません。私はたくさん授乳ができるよう、とにかく水分をとりまくり、しっかり食事をとりまくり、隙あらば寝まくり、トイレにも行きまくりました。バシネットがつく席はトイレが近いので、躊躇せずにトイレに行けました。おかげで私の足はむくみ知らずでした。
  • 抱っこひもは折り畳みタイプがとても役に立ちました。座席に座ったままで装着できるので、狭い機内では一般的なベビーキャリアーよりも使い勝手がよく、使わないときはシートポケットにしまえるので、頭上の荷物入れをわざわざ開けなくてもよいです(バシネットのつく席は前の座席がないので、自分の手荷物を前の座席の下に入れることができません。このため手荷物は全部、頭上の荷物入れに入れる必要があります。)。子がぐずって機内を散歩するときも、さっと装着ができました。
  • 空港内は空調が管理されていますし、機内は毛布が貸し出されるので、子に厚着をさせる必要はありませんでした。ところが着陸して乗換する時、私たちの便はバスでターミナルへ向かうタイプだったので、バスが到着するまでの数分間、夕方のヘルシンキのくっそ寒~い機外で待たされました。数分のことですが。子のアウターもしくは抱っこひもにつけるボアかダウンのケープは機内に持ち込んでおき、いざという時に使えるようにしておいたほうがよいと思いました。
  • 子が泣いても、目くじらを立てて怒る人はいませんでした。全体的に、子どもなんだから泣いても仕方ないという感じでした。行きの最後の短距離路線(コペンハーゲン→オールボー)では、疲れがピーク・座席が狭い上にほぼずっとシートベルト・上ってすぐ降りるので気圧の変化が激しい、ということで、子はそれはもう泣きまくりました。離陸前に「一番前の座席に赤ちゃんがいるので泣いていてちょっとうるさいですが云々・・・」というスッチーのデンマーク語のアナウンスまで聞こえてくる始末でしたが、怒りの視線よりもむしろ、赤ちゃんがいるんだから大変だよねという同情の視線のほうが多いと感じたほどです。こういうスタンスに私は救われました。
  • 大変だった割には、夫も私も機内食は完食、夫はワインとビール(私の機内食分を提供)をあおり、二人とも子が寝た隙に、機内ムービーでしっかり「君の名は」も鑑賞しました。
機内食。個人的にはスカンジナビア航空よりおいしいと思います。
食事時はアルコールも1本無料です(スカンジナビア航空は2014年に乗った時は有料でした。)。



おまけ。フィンエアーが子どもの乗客にプレゼントしている冊子。
ぬり絵や間違いさがし等、子どもがフライト中に飽きないよういろいろなコンテンツがありました。

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