2012年7月5日木曜日

崖で愛を叫んだのち参戦するロスキレフェスティバル(Roskilde Festival)2012 6日目

6日目 2012年7月5日 シンダイル→ヨアリング(Hjørring)→シンダイル


今日はロスキレフェスティバルのコンサート初日ですが、私は参加せず、シンダイルにとどまって、ほんのり「肥」の香りの服を身にまとい、会いたい人に片っぱしから会いに行きました。

M家の朝ごはん。写真の左下、朝食の定番のパンである"rundstykke(発音が難しすぎてカタカナで書けません)"にはバターをぬり、その上にチーズ、さらにその上にジャムをのせます。まさに、ジャムバタチーズだんだんだーん♪状態です。初めてこれを見たとき、なんという組み合わせだと思いましたが、これが思いのほか美味しいのです。お試しあれ。今では私もすっかり、ジャムバタチーズだんだんだーん♪肯定派です。日本でジャムバタチーズだんだんだーん♪をするときは、パンはフランスパンのような固めのもの、チーズはナチュラルチーズでしょっぱいものを選ぶと美味しいと思います。


8時にM家を出発して、シンダイル駅へ。シンダイルの隣町、ヨアリング(Hjørring)には、本来は電車で行けるのですが、この日はたまたま線路工事中で列車は走っておらず、代替バスがでていました。しかし、2012年6月2日から工事が始まり、元のダイヤに戻るのが2012年10月29日とは...。どういう工事か知りませんが、日本で、この工期の長さに加えて、事業者側が「バスがあるからいいじゃん。」なんていう態度だったら、怒り狂う人がでるのではないかと。そこは「仕方ない」の国デンマーク。かつ、もともと電車は1時間に一本しかないので、うまくまわってしまうわけで。

ヨアリングでは、赤ちゃんが生まれたばっかりの友人JとGのふたりをたずねてきました。陶芸家のふたりは、新しいアトリエとなる家を郊外に見つけたそうで、新しい生活に胸が躍っていました。

そして、そのあとヨアリングをぶらぶらしていたら、語学学校で一緒だったVさんに偶然遭遇。人口の少ないデンマークではこういうことが普通にあるのですが、こちらはたまたま今日一日だけヨアリングに来たわけで、あまりの偶然にふたりとも大喜びでした。

シンダイルに戻り、ここまできたら会える限りの人には会っておこうと、約束もしていなかったのですが、仲がよかったGさん宅のドアも叩いてみました。そうしたら、見事にGさんがいました!何たる幸運だと、これまたふたりとも大喜びでした。台湾出身のGさん、「次は台湾で会おう!」と約束しました。

M家に戻り、パッキング。ここでM家のみなさんとはお別れです。「またいつでも来てね。」と言ってもらえて幸せでした。続いて、シンダイルのS家へ移動。S家も、ビンスレヴ国民学校でインターンをしていた時の、私のホストファミリーです。S家のお父さんが、当時、ビンスレヴ国民学校の先生をしていた縁で、ここでホームステイをすることになりました。ちなみに、私がロスキレフェスティバルにハマッたのも、ベルギービールにハマッたのも、このお父さんの影響です。

家ではお母さんと息子が待っていてくれました(お父さんはロスキレフェスティバルに行っているので不在)。手作りのHyldebromstersaft(Hyldebromstという白い花、レモン、砂糖を一緒に煮出して?作るシロップを、氷水やソーダで割った飲みもの)で迎えてくれました。前にも書きましたが、市販品より手作りの方が断然美味しいのです。うれしすぎます。


夕食はS家の父方のおばあさんが用意していてくれる、ということで、3人でヒヨットシャルス(Hirtshals)のおばあさん宅へ車で向かいました。

私はこのおばあさんが大好きで、デンマーク滞在時は個人的にもおばあさんのお家に遊びに行っていました。おばあさんはヘルパーつきの老人アパートで一人暮らしをしていて、普段はひとりなので、話し相手ができたことをとても喜んでくれました。こちらも、おばあさんの話をきちんと理解したくて、がんばってデンマーク語を勉強したものです。ナチスの反対勢力だったデンマーク人が家に転がり込んできてかくまった話など、たいへんだった若い頃の話や、最近の王室ゴシップネタに関する意見まで、本当にいろんな話をしてくれました。

おばあさんのアパートの窓からは、ノルウェー行きの船が見えます。おばあさんも、S家のお母さんも息子も、私が次はいつデンマークに来られるかわからない事を知っているはずですが、行きかう船を眺めながら、いつもどおりの話をしていました。そんな時間がありがたかったです。


おばあさん特製の野菜のグラタンを食べて、さてシンダイルへ戻るぞとなったとき、お母さんが私に「さあ帰りはあなたが運転しなさいな!」と、自殺行為に限りなく近いことを言うので、私は約1年ぶりにデンマークで車を運転することになりました。もともと、車の免許はデンマークで自動車学校に通ってとったので、免許もありますし交通ルールは分かっていますが、1年ぶりに左ハンドルのMT車を動かせるかどうか、うっかり左側を走行してしまわないか、かなりドキドキでした。

シンダイルのS家に戻り、サイドブレーキを引き終わったとき、私も、後部座席のお母さんと息子も、なぜか「フフフフ・・・フフフフ・・・。」と笑いだし、拍手していました。無事に帰ってきて気が抜けたのでしょう。お母さんは「すごい!手と足は1年ぶりでもちゃんと覚えているのだわ!」と私を抱きしめてくれました。こんな機会をくれたお母さんに感謝です。やっぱり車はMT車のほうが、機械操作をしている感じがしていいです。

夜は庭でベルギービールの"Trappist Westbleteren"を飲みながら、私はS家が飼っていた愛犬シサニーが5月に死んだことを初めて聞きました。シサニーは私がホームステイしていたとき、もうすでに老犬でしたが、賢くて、何かをすごくよく感じ取る犬でした。私がつらいことがあると、察知したかのように鼻で私の部屋のドアを開けてたずねてくる犬でした。散歩もしょっちゅう行きましたし、ホームステイ先を離れてからも、時折散歩させてもらっていました。シサニーと森の中を散歩すると、なにか癒される気がしていました。「みんなすこしずつ、年をとっていくね。」と、あたりまえといえばあたりまえの話をしながら、日が完全に落ちて肌寒くなるまで飲んでいました。

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